さて、今日から、シェアハウスの疑問あれこれについて、住人が知りうる限りで答えるという、新しい連載が始まります。
第一回目は、ハウス内での恋愛について。これはみんな(特に男性陣)が気になるところですよね。
よく、「シェアハウスに住んでいる」と話すと、「テラスハウスみたいなことってあったりするの?」とか「ハーレムじゃん、よりどりみどりじゃん」などという返しをいただくことが多いのですが…
実際にはそういうことはそうそうめったにあるものではありません。
というか、私は10年間、シェアハウスに住んでいますが、ほぼ一度もそういうことはなかった
です。
がっかりされたでしょうか。
(一度だけ、ハウスメイトの男性が、冗談か本気かよくわからないが「一緒にお風呂に入ろう」などと気まぐれに言ってくることはありましたが、もちろん入りません)
シェアハウスは恋愛に向いているか
もちろん、私がそうであるだけで、ハウス内で恋愛を満喫しているという方もいらっしゃると思います。
現に、カモンアップの他のシェアハウスでは、ハウスメイトどうしでカップルが成立して、ハウスを出て同棲するという話を聞きました。
そういうこともあります。
けれど、それを目的にシェアハウスに入ると、肩透かしを食らうことが多いと思います。
シェアハウスは、学校とか職場とか趣味の会と同じように、あくまで出会いのきっかけの場の一つにすぎませんし、むしろ、出会いの場としては、他の場と比べて有利ということは決してないように感じます。
これも個人差があるとは思いますが、どちらかというと不利なのではないかという気がします。
というのは、シェアハウスは「生活の場」だからです。
複数の他人の共同生活をする中で、特定の人に特別な感情を持つことが、ほかの人との関係を円滑にやっていく上で、障害となる場合があると思います。
社内恋愛と同じ。
ところで、私自身(女性)はというと、複数いるシェアメイトの中の、誰か特定の人に思い入れをしないよう、無意識的に気をつけているところがあります。
彼らのことを「生活の仲間」であると認識して、性や恋愛の対象として見ないようにしているのです。
しかし、「とはいっても好きになってしまうもんは仕方ない」ということで、罪悪感を感じつつも社内恋愛やハウス内恋愛に踏み切り、果敢に障害と立ち向かいながら愛を育む人たちもいるのは事実。
人それぞれですね。
いろいろなパートナーシップのあり方
ところで、話は少し変わりますが「セックスレス」の問題が最近取りざたされています。
昔から、男性はパートナーが妊娠、出産して母になると、女ではなく「生活のパートナー」として相手を見るようになり、性を求めることに罪悪感を感じるようになり、セックスレスになる…というような話を巷でよく耳にします。
これも少し、さきほどの話と似ているのではないか?という気がします。
「生活のパートナー」と「性のパートナー」が相容れないことがある。
人は、その時置かれた環境や時期によって「生活のパートナー」「性のパートナー」「仕事のパートナー」など、いろいろな異なる役割を相手に求めたり、求めなかったりする生き物なのかもしれません。そしてそれには、ある程度の傾向性がある。
とはいえ、やっぱりこれも個人差があると思います。結婚して子供ができても、性の対象としてお互いをみなす夫婦もたくさんいる。傾向はあるものの、全部がそうとは言えない。
けれども私自身は少なくとも、生活の仲間であるシェアメイトを性や恋愛の対象とはしたくない。もしそうなりそうになれば、シェアハウスを出て、別のところに住んで、外でその人と会うようにしたくなると思います。
友人の実例・シェアハウス内恋愛に巻き込まれて傷ついた
ここで、私の友人の例を出します。
友人は、30代前半の女性。
以前に住んでいたシェアハウスで、ハウスメイトの男性から「好きだ」と告白されたことがありました。
長年恋愛ごぶさただった友人は、それまではなんとも思っていなかった彼のことを急に意識するようになります。(それはそうですね)
ところがその男性は、その前にハウス内の別の女性にも告白して、振られていたのです。その女性の方が本命で、友人はその次という位置付けだったようです。
友人は、その男性からそのことを聞いてしまい、いたくショックを受け、ハウスにいられなくなり、結局、退去することになってしまいました。今でも、彼のことを腹立たしそうに話すことがあります。
どうでしょうか。
もし、これがたまに会うサークルなどだったら、こんなに深刻なことにはならなかったんじゃないかなと思います。
毎日の暮らしのベースとなる場所で、そういういざこざがおきてはたまったものではありません。
うまくいって幸せになればすばらしいですが、トラブルになれば、生活の場を失い、生命を脅かされることになりかねません。
そういうリスクを予感するからこそ、ハウス内恋愛には慎重になる人が多いのではないかと思います。
もちろん以上はあくまで私個人の考えですが。
というわけで、